テンカラ竿の三大トラブルは、折れる、固着する、リリアンが抜けるである。ガイドもない、リールもない釣道具界の吉幾三のようなテンカラ竿なので、三大トラブルがトラブルのすべてである。この中では固着の頻度が一番多いのではないだろうか。ということで固着の対処法を。
固着の原因は無理に引き出してしまったこと、砂や水が入ってすべりが悪くなってしまったことが多い。木に引っ掛かった毛バリをとろうとして竿をまっすぐにしてグイグイ引っ張ったため、竿が引き出されてしまうことや、雨に濡れたり、竿を水に漬けてしまったため、水分を含んで固着してしまうこともある。
雨の日には固着を頭に入れて竿を緩めにしておくといい。ところが固着しないようにと、竿をねじりながらギュッギュッと伸ばす人がいるが、雨の日にはたちまち固着してしまうのだ。師匠からそのようにして竿を伸ばすことを教えられた初心者のGさんは、雨の日のテンカラで一度に4カ所を固着させてしまった。
♪固着はゆるめの竿がいい。つまみはあぶったイカでいい、と八代あきも言っているではないか。
さて、固着したらどうするかである。いろいろな方法がある。緊張しているのでダジャレでほぐす手がある。「こちゃくな奴め」しかし、かえって固まってしまうおそれがあるのでおすすめできない。
竿が固くなっているからコスル(こらこら)などは問題外である。
まじめな方法ではCRCや石鹸などの潤滑剤を流す、冷蔵庫で冷やす(本当に効くのかな)などがあるが、次の輪ゴムを使った方法はまず間違いない。
写真1:固着した2本の竿のうち、下の竿に輪ゴムを巻きつける。太さによって2本〜3本必要。このとき輪ゴムがすべらないようにしっかり巻く。
写真2:輪ゴムを親指と人さし指に掛ける。
写真3:竿を上に引っ張って垂直に落とす。
つまり竿をゴムの力でスピードをつけて落下させるわけ。何度もコンコンやっているうちに緩んでくる。まずこれで100%うまくいく。注意点として竿を十分乾かすこと。濡れている竿は効果がない。硬い平らな床や机に垂直に落とす。豆腐に落としてもうまくいかない。斜めに落とすと竿が欠けることもある。これでダメなら釣り具店にもっていくか、頭にきて竿をヘシ折る。
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