私のテンカラは毎年、中寒狭の解禁から始まるのですが、今年は2/7(日)でした。解禁を祝ってこれも恒例の前夜祭をやろうということで、Oさんの別荘に
。Oさんがカキを用意してくれて、カキ鍋、焼きガキ、カキふりゃぁ、というカキ料理定番三種を堪能しました。さらに荒川縄文人がシカの生肉を。これも筋を切ってあるのでトロトロのシカ肉の刺身と、さらにシカ肉の叩きまで御馳走になり、シメは牛肉の朴葉ミソ焼きでした。少食男子ならぬ私は、いつものように、ただひたすら食べる役。御馳走の話だと、どこからか石が飛んでくるのでこのへんで。
開けての解禁はいつもどうり、開けましておめでとうの挨拶から。午前中なのにサンサン午後、テンカラ師が集まってきます。総勢20名ぐらいいたでしょうか。今年はシンシロー渋谷さんやムッシュさんがキムチ鍋を用意してくれたので、これもまた腹一杯食べました。
面白いことにKさんがキムチ鍋を食べて顔から大汗が。辛いものを食べると顔だけ大汗をかくのだそうです。不思議です。カプサイシンに過敏なのでしょうか。これからカプサイシンKと呼ぶことにしました。
辛と言えば、トウガラシの本場、韓国にいったときの辛さと辛さ(つらさ)は忘れません。辛いとツライは同じ字なのです。サムソン電子のスポーツ科学研究室の安所長のところに行ったのですが、夜、仕事が終わり、では食事となって「辛いもの大丈夫ですか?」 「ええ、辛いものは好きですよ」
そうでっか。出てきた焼き肉、その他、その辛いこと。こんな辛いもの後にも先にも食べたことがありません。口から火が出るゴジラ状態。それでも食い意地が張っているので、止めればいいいのに薦められるままに完食。ホテルに着いた頃には口の中が熱くて、熱くて。冷蔵庫の水や飲めるものを全部飲んでも焼けるよう。
とうとう腹具合が。もう寝がえりをうつのも危ない「シコふんじゃった」の竹中直人状態に。シコふんじゃった? それってなんだ?という人は気にしなくていいです。
ほとんど寝ることもできず翌朝に。迎えに来た安さんに事情を話すと即、薬局へ。薬局の若い娘さんに「この人昨夜下痢して・・・」なんて言ったのでしょう。その娘は私の顔を見てニヤッとしました。今でも忘れません。その日の食事は一切の辛味なし、トウガラシ抜きでお願いしました。郷に入ってはというけれど、あそこまで辛いものは食べない方がいいようです。
さて、肝心の釣りはというと、散々でした。何が散々かというと花粉です。この日はアッシー田島さんのブレーキに問題がある新型プリウスで陸送(荷物扱いか)してもらったので、花粉症対策3点セットすべてを車の中に置いてきてしまったからです。もういけません。昼ごろには鼻がつまり出し、午後になると鼻水がしたたり落ちるようになりました。
下を向くと、止めどなくポタポタ落ちます。鼻をつまんで上を向く。そのうち鼻から額にかけて風邪のボウ症状になり、こうなるとプッツンと集中力が切れ、もうどうでもしてちょうだい、もう帰ろうよ状態で、解禁日は終わったのでした。身体はバリケードのようでも鼻と心はデリケートなのです。まぁそれでも両目は開きましたが。
13日は長野県大町市での河川湖沼浄化講習会。講師は昨年のテンカラサミット2009でも講師をお願いした中村智幸先生と私です。会場に着く前に大町山岳博物館へ。ここには明治の初めごろ、毛バリ釣りの職漁師だった遠山品衛門の日本最古の毛バリ、竿、ラインが残っています。また黒部最後の職漁師だった曽根原文平さんが使った毛バリ釣り道具が展示されています。いずれも自然のものをうまく利用した丈夫で素朴な釣り道具で、その知恵に感心します。だからこそ、今日まで残るわけですが。
この講演会には漁協関係者や行政の方も大勢来ていますので、中村先生の話は示唆に富むものでした。一歩踏み出せばいろいろな情報やサポートが得られ、新しい展開ができるのですが、要はその決断ができるかでしょう。漁協関係者の高齢化が大きなネックになっているように思います。
私の話はテンカラの起源と語源、職漁師のテンカラはどのようなものだったか、今はテンカラはスポーツである、なぜテンカラはスポーツになり得るのかなどです。耳タコの人もいたかもしれませんが、多くの人にとっては新鮮だったと思います。
講演が終わって、テンカラの紹介をしますコーナーに残った人が約38名、「約」付きの割には一ケタまで数えてあります。良ければ記念に毛バリをどうぞといったところ、ワッと集まってこの日のために巻いた60本がすっかり無くなりました。その前の講演で、テンカラはコマセなんかしないフェアな釣りなのだと話しました。そして私は強烈なテンカラウィルスを持っていることも。
そうなのです。テンカラではコマセはしません。しかし、人を釣るにはコマセが必要で、それがこの毛バリ。しかもテンカラウィルスが付着した。毛バリを持っていった人の何人かはもう発症しているでしょう。ワクチンはないとも話ましたので、知ぃーらないっと。
北の安曇野渓流会のレポート |