山中の囲む会 | |
週末、庄川水系の山中で私を囲む会がありました。担ぐ会? 担ぐのはさすがに重いだろうと思って案内をよく見たら囲む会でした。怖かったですね。囲んで何をするのか。囲まれればロクなことはありません。リンチかも。 大学の公開講座で毛バリ巻き講習会をしているので、今年、受講した久保さんが中心となって山の中で1泊2日でバーベQでたらふくたべて、テンカラをしようという計画です。 受講者とその関係者、親類縁者、通りかがりの人を含めて参加者は10名でした。遠くは金沢からサウスポー抜きテンカラの渡辺さんと、仲間の宮永さんも参加です。渡辺さんの抜きテンカラはYouTubeにアップされています。さすがに尺ものはタモにスパッと入りませんが、それ以下であればストライクです。 本流に入りました。連日の酷暑で山はすっかりカラカラのため前夜の雷雨も山が吸ってしまい増えることなく大渇水。さらに午後1時という暑いときからの釣りなので、高水温と重なってしばらく反応なし。 水温がかすかに下がった4時を回る頃になってポチポチとアタリが。公開講座の主席の西尾さんがアマゴの26cmと尺イワナを釣りました。鮎釣り名人だけに覚えが早く、狙うポイントも的確でキャスティングも正確。なにより講師の私が教えた通りにやっているので釣れるのです。講師が自慢してどうする。 さて、ここからという頃からポツリの雨。今日も雷雨が来るかもしれないのでここで撤収。帰りは45分の川歩きですが、なにせ先頭の久保さんが健脚です。最初こそ久保さんについていったものの次第に足が上がらなくなり2名がヘタリ。久しぶりの渓歩きで疲れたようで、こうなれば疲れはバーベQとビールで癒すしかないでしょう。 久保さんが準備したターフには車のストップランプが6つもついています。電源はバッテリー。赤や青、回転ミラーボールもあればさらによかった。ここにコンマンワと女が・・・来るはずなく、もし来たらキツネでしょう。 久保さんがなにからなにまで用意してくれて私はすわっているだけ。辻料理学校出身の辻さん(ウソです)が、焼き専門で焼いてくれたおかげでたらふく食べられました。 満腹になった頃、明るい満月が山の端に昇り、秋の雲と濃紺の空がおりなす天空にコントラストと深い奥行きをつくり、その彼方に光る星を皆で見つめる。誰かが「生きててよかった」。 本当にそうです。都会ではいくら金を積んでもできない贅沢。金でもない、仕事でもない。こんな中に身を置き、仲間とすごす時間は生きているからこそ、元気であればこそのものです。誰かの口をついた「生きててよかった」は老い先短い参加者の(誰のこと)共感を呼んだのです。 明けての朝は5時に「朝メシの用意ができました」と久保さんが車をノック。なんと朝の3時に起きて用意してくれました。朝がゆと手造りのミソ汁、野菜炒めに茹タマゴです。コーヒーもついてまるで名古屋のモーニングサービスのようです。 たっぷり、ゆっくり朝ご飯を食べて6時から西尾さんと辻さんと入渓。どうしたの? 何かあったの?というくらい全然でした。おそらく朝ご飯を食べている頃、魚も餌をとっていたのでしょう。夏で、しかも渇水のときには薄明るくなる朝イチしかないと思った次第です。 上流にいく車はどうしても前を通らなければならない場所にテントを張ったので、釣り人の観察ができます。2人組のテンカラマンは止まって情報交換から托鉢毛バリまでしていきました。私たちがテンカラの集まりだとわかるようです。釣れそうもない顔をしているからでしょうか。 穏やかな顔で軽く会釈して通って行ったのはフライマンのグループでしょう。朝なのにバンダナを首に巻いてオシャレな感じがしました。 明らかに餌釣り師の車が。眼が引きつっています。上流に上がったところに先行の車があったので怒って戻ってきたところです。自分以外の釣り人は、自分が釣るはずの魚を持っていくライバルに見えるのでしょう。顔で釣りの種類がわかるようになりました。 来年、この会があったとき担がれてもいいように減量します。渡辺さんと一緒だった宮永さんは、久保さんが一目おく健脚の渡辺さんに着いていけるように13Kg減量したとか。うーむ、見習わなくては。
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