鯨飲馬食

 

12日、静岡県アクティ森での新年会に参加しました。コテージは広く、清潔でかつ施設完備。先の天川のコテージ同様、コテージは進化しています。

正月太りで2Kgリバウンドしたので、たくさん食べないようにと途中のSAで、焼きたてに惹かれて梨パンとリンゴパンを2個食べてしまったのが、かえって呼び水になってしまったようで、カキ、豚、タラ3種類の鍋料理をゲフッとタラ腹食べてしまったのは、いつもの通り。

何もしない、何も片づけないのもいつもの通り。皆さんごちそうさまでした。いろいろなものがありました。そば垣さんの十割そばクラさんの手作りソーセージなど。今回、遠路、東京から参加した小池さんのベッピン王妃の赤飯は絶品でした。生涯においてこんな美味しい赤飯を食べたことがありません。

品よく甘く、シットリまとまり、それでいてたしかなモチモチ感。温かなうちは何でもおいしいものですが、冷えてもおいしいところが絶品の証拠。

それにしても持ち込まれた酒の量は半端ではありません。まずビールから始まって、日本酒、焼酎、ワインへ。誰かがツマミを出せば、それに合う酒が出る。酒が出ればツマミが出る。グーが出ればパーを出すというわけでジャンケンのように5時から始まった宴会は12時過ぎても終わりません。鯨のように飲んでいきます。

下戸の私はそれを眺めて夏の田んぼの蛙のようにゲコゲコ鳴くだけ。「これはうまいよ」とすすめられた日本酒を舐めてみました。うまい! うまいのです。フルーティでほのかに甘く、口あたりがさわやかで、キレがある・・・酒飲みのいうことわかります。うまい!

学生の頃の日本酒は当然、2級酒で、舌に痛みさえ感じるツンとした刺激とウェッとなる柿が腐ったようなにおい。日本酒とはこんなものと思ってました。

もし、下戸でなければ人生を鯨のように飲んだだろうと思います。そして馬のように食べた。当然、過去形です。今さら変わることもありません。

それにしても、今思えばあのとき・・があります。大学1年の入寮の歓迎会のこと。伝統的な歓迎とのことで食堂で正座した1年生一人づつに3年生から焼酎ドンブリ1杯の一気飲みの強要。

入学する前に大痔主の手術をして、退院前に先生から「大学にいっても絶対に酒を飲んではダメだ。縫ったところから出血するので、そうなれば手のつけようがない」と忠告されていた。今とは手術は違うのでしょうが、当時の手術は血まみれでした。

この一言で私の命が助かったようなものです。それを先輩に言うと「しゃあないなぁ」と許してくれたのですが、同期の連中は飲まされその夜は野戦病院のありさまに。

あのとき、飲んでいれば・・先生の忠告がなかったらと思うとゾッとします。当時のことだから先輩もなぜ飲めないのかという知識もなく、自分も飲めるかどうかわからずに、一気飲みしたでしょう。救急車で運ぶという時代でもなかったので、どこかの空き部屋にころがされ、七転八倒の末に血まみれで冷たくなっていたに違いありません。

そんな経験から1年生の授業の中でアルコールパッチテストを行い、酒に強いか、弱いかを理解させ、なぜ強いのか、弱いのかその代謝過程を講義しています。

さすがに社会人になれば一気飲みとかバトルはしないでしょうが、大学生では表面上ないように見えますが、未だに一気飲みの死亡事故や重い肝臓障害になる学生がいるのです。酒が飲めることと、男らしいを同義と思ってしまうのは、酒以外の人を知る経験知がないことによるのですが、自身の人生を誤らず、飲めない人を思いやること。それは多様な人が暮らす社会への理解に つながるのではないかと思います。

前の晩、日本酒をチョコっと、本当にチョコ一杯だけ舐めただけですが、12時を回ると頭が痛くなり、明けての朝もまだ痛みが残っていました。酒に弱くてよかったのか、悪かったのか未だ結論が出ていません。