足助テンカラ講習会 |
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5月3日(土)は足助テンカラ講習会。この講習会は豊田市足助(あすけ)町のいろは釣具店主催のもので、これかれ、かれこれ15年以上続いている。当初は愛知県名倉川漁協の矢作(やはぎ)川で行っていたが7~8年前から長野県内の根羽川漁協で行っている。同じ川 であるが、愛知県内までが矢作川で、その上流の長野県になると根羽川と名前が変わる。 根羽川漁協の管理棟を貸してもらえるので便利なのだが、例年、漁協前で魚が釣れたためしがない。とくに講師がボウズということで有名で、講師は釣る腕がなく口だけだと評判の発信元がここである。 さて、朝8時漁協に集まったのは漁協の床も抜けようかというなんと22名である。いつもサポートしてくれる人、講習はいいのでダジャレだけ聞きにきたという人(それはダレジャ)、つい春の陽気に誘われて気がついたら漁協にいたという人までいて多彩である。 毎年、この講習会は寒い、風が強い、魚がいないというテンカラ三重苦であるが、非常に珍しいことに風もほとんどなく、暖かく穏やかな日に恵まれた。これもひとえに参加者の皆さんの日頃の心がけがいいからではなく、講師のおかげであるという定番のギャグから講習を始めた。 うれしいことに偶然にも放流日と重なったのである。なにやら餌師が多いなと思って♪ハァ~、「江差追分」を歌う気にもなったくらいである。竿を立て放流車の到着を今か今かと待っている様子である。餌師の下流の浅瀬に、スミマセンネ、講習させてもらいますと場所を確保する。 まったくの初心者もいる。皆さん竿もラインも用意してあったが、22名のうち2名だけがテーパーラインであり、レベルラインが普及していることがわかる。テーパーラインの人には私が持参しているレベルラインを使ってもらう。 このラインはメーターで100円です。現場売りでは5割増しになりますが、講習会に参加していただいたことに感謝し、特別にメーター1000円でお分けするという定番その2でウケを狙う。初めて聞く人はドッと反応する。魚もこのくらい反応してくれればいいのだがと思っているところに、漁協が成魚を放流してくれる。 例年ならすべて餌師のためであるが、今年はテンカラマンにもおすそわけである。そろそろ水になじんだころを見計らって、ではこうして釣るのですと見本を示す。何投目かののちに、グリッとアタリ。ほらね釣れたでしょ。今は偶然ではないですよ。ほらね、また釣れたしょと2匹目。 本当は偶然に2匹釣れたのである。講習中に講師が釣れない講習会として有名だったが、たとえ成魚とはいえ参加者の目の前で釣ったので、講師の面目は保たれたのである。 いくらなんだ、かんだといっても講師が目の前で釣らなければ説得力はない。ということは、これからも講習会が続くので、自らに亀甲縛りをかけているようなものである。どうしよう。 魚もなじんだ頃なので、さっそく実釣である。入れ替わり立ち替わり攻めるので成魚とはいえ、あっという間にスレてしまって、残念ながら全員が釣るというわけにはいかなかった。 その後の参加者からのメールでは、初めてのテンカラだったが、テンカラって面白いですねとか、参加するか迷っていたがダジャレを聞いて目が醒めたとか、始めて数年、他人のテンカラをみて自分の思い込みに気づいたなど、参加してよかったというものが多かったのでおおむね、よかったのではないかと思う。 漁協前では成魚がいないと講習中に魚を釣ることはまずできないので、来年も成魚放流の日にあわせて設定することにしたい。ただし、私が生きていればである。ただ生きているだけでなく元気でいればである。まだ入れ歯ではない。 ところで、この人は30前だろうという若手が参加した。磐田市の人のようである。竿は天平テンカラ3.6mに4号のレベルラインを用意している。 キャスティングがうまい。褒めて育てる私なので、これは困ったなというキャスティングの人にも、うまいですよ、よくなりましたなどの声をかけるが、この若手はかけねなしで上手い。さすが若いだけあって言ったことがすぐにできる。実釣の狙いどころも正確である。 仮にAさんとしておこう。「Aさん、うまいですね」「とても今日が初めてとは思えません」など丁寧な言葉をかける。さてお昼である。Aさんが私の横にすわる。「Aさんはいいですよ。すぐうまくなります」と、ここでも褒める。 突然「先生、実は私は愛工大の出身なのです。しかもフィッシング部員、私のこと憶えています?」「先生は顧問でしたが、全然、面倒みてくれなかったです・・・・」 なに!卒業生、しかもフィッシング部員。憶えとらん。フンガ!なんでそれを先に言わんかい。バカモン! 面倒みなかった? バカモン、何を言うか・・と態度がトラ変ではなかったヒョウ変する講師なのであった。 立場をみて態度も言葉も替えてしまう変わり身の速さでは、アマゴの0.2秒もかなわないのであった。学生時代、面倒みなかったけど、これから面倒みるからねとフォローも忘れなかったけど。 明日からは3連休の遠征である。さて、どんな遠征になることか。 写真は掛川の鈴木さんから。
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