テンカラ・キックオフミーティング2014レポート

 

15日のテンカラキックオフミーティングはまたまたの大雪となった。8日の記録的な大雪に続いて、前日からはバレンタイン大雪になってしまった。

8日の大雪では、東京で開催の全日本暇人協会の設立20周年記念に参加予定だった。ところが新幹線がまともに動かず、その日のうちの帰宅が不可能になったのでキャンセルさせてもらった。主催者はさぞ気を 揉んだことだろうと気の毒に思ったが、15日は気を揉むその当事者になってしまった。早朝から雪で行けないという連絡がどんどん入る。

群馬県前橋の本流尺上テンカラの小林さん、高橋さんからは70cmの積雪で家から出れないとか、神奈川は相模原のとおるちゃんからは雪に囲まれ、食料もなくなり、電気も来ずに命の尽きるのを待つばかりとなった 、これまで長い間、お世話になったという「天は我を見捨てたり」の雪の八甲田山みたいな連絡もあったりして、都合12名がキャンセルになってしまった。 その一方、武蔵野テンカラ会(ムサテン)からは開催祝電が入る。

何回も書いているが私は「嵐を呼ぶ男」と言われている。私が箱根を越えると嵐になるらしいが、今回は名古屋で大人しくしていたのに箱根から向こうは軒並み嵐になってしまった。楽しみにしていただけに キャンセルの人には本当に残念だったろう。

その代わり、私は今回、「天使を呼ぶ男」になった。そうなのだ。タレント、モデルのシマノ釣りガールの阪本智子さんをゲストに呼ぶことができたのだ。昨年の川越のトラウトフ ェスタで竿を振ってもらったとき、もしミーティングに来てもらえれば華になるだろうと思って、シマノに話したら全面協力となった次第である。当然、所属事務所を通すとかのさまざまなことがあって実現できたのだ。

ミーティングの様子は参加者のブログや、写真を見ていただければいいと思うが、やはりタレントと呼ばれる人は違うと思う。タレントにも、お笑い系やぶさいく系など様々な売りがあるが、阪本さんは可愛い、美人、スタイルがいい、いやみがない 、小柄なので男が護ってあげたくなる系の美系タレントである。

それになにより、声が前に通る。頭の回転が速い。切り返しが速い。45分のトークショーでは私が聞き役のはずだったが、いつの間にか私が話をさせられるようになってしまった。切り返しの速さに、 途中で「そうか!MCを仕事でやっているのだ」と気がついて、どこかで切り返して、彼女に話をさせなければと思いつつ、後半は私のトークショーになってしまって・・・。反省である。ぶっつけ本番なので仕方ないがそれだけMCの場数を踏んでいる。

釣りガールとしては木曜 BS 夜10時〜「釣り百景」に出ている。次は放送日は未定のようだが、三浦半島沖の丸イカ釣りらしい。船にはめっぽう強く酔ったことがないという。船に強いのは釣りガールの必須要素だろう。

テンカラ仲間に日本TVのプロデューサーSさんがいる。彼が釣り番組を作っていた頃は、まだメジャーになる前の藤原海苔香を使っていたそうである。それからメジャーになったわけで、阪本さんにも釣りガールからの飛躍があればと祈りたい。テンカラガールになりたい・・と言ってくれた。期待していいかな!

やっぱりいつものミーティングと違い男たちの呼吸が速い。浮き足だっている。ザワザワと空気が揺れるのは男たちの心の動きが振動になっているからだ。女性が、それも美人が一人いるだけで違うものなのだ。雪の東京から2泊3日の日程で参加してくれたからふる王国の王妃も美系ではあるが、空気が揺れることは、正直ない。

今回はソバ垣さんがTaka蕎麦を打ってくれた。準備も大変だったと思う。当然、火は使えないのでパックに入れてバザーで500円である。10割そばが500円。しかもパックつきである。

市橋先生の皮と帆布のバックも逸品である。 これにくわえて竹のテンカラ竿も造っているので、診察は大丈夫かと思ってしまう。「先生!患者さんですが」「待ってもらって、今、皮を縫っているから」「熱があるのですが」「クリニックの前の吉田川に入ってもらいなさい」

押江込蔵、イタリアの毛バリ巻き実演、地元、エース釣具によるシマノのテンカラ竿販売、北の安曇野渓流会、アメリカとロシアの竿の展示などがあって、参加者はそれぞれ楽しんだようだ。

私からは30分程度、フライフィッシングが日本に入ってきたように、やがてテンカラは世界に拡がっていく釣りになるだろうという話を真面目にさせてもらった。今から250年前の記録に残る尾上郷川アマゴ谷の「峠を越えた魚」の話は、ほとんどの人が知らなかっただけに関心が高かったようだ。なお参加者にはA4で3枚レポートを書いて添付で2日以内に提出することになっているが、まだ誰からも来ていない。

トークに続いて、あるいはそれ以上に聞きたかったのはアジャリ君こと西郷ドンによる「尺ものを釣るには」だったろう。緻密なデータ、鋭い分析の蓄積が他を寄せ付けない尺ものハンターになっている。「こだわり過ぎる釣りはチャンスを逃がす」は私の記憶に残った。テンカラはこうだとか、こうでなくてはと言うこだわりの釣りは自分の釣りを魚に押しつける。幅広く、柔軟に魚の立場で釣る。。。うーん、教えられた。

懇親会は阪本さんの乾杯の発声で始まった。恒例のお楽しみ抽選会では西尾さんの尺もの用のタモ・・・鮎ダモが目玉だった。寝ずにとりに行った杜松(ネズ)の木で造ったタモである。かってこの木のタモを使っていたのはフライマンだった俳優、根津甚八である。タモは木を切って完成までに数年かかるらしい。

今回、東京から佐々木さんがたくさんのハット、スエット、ディバックを提供してくれた。当たればいいなと思っていたMILLETのディバックがなんと当たったのだ。抽選会でこんな高いものが当たったのは初めてだ。これでノロちゃんに当たることはないだろうが、一年の運をこれで使ってしまったので尺ものに巡りあうことはないかもしれない。

阪本さんとのジャンケン大会により本流テンカラ、渓流テンカラのゲットで抽選会も終了となった。朝の雨もすっかり北風にかわっていたが、あと2週間で3月を迎える夜の風に、か すかに春の香りを感じたのは私だけだろうか。そう、私だけ。

写真提供は木村一成さん

Youtubeにアップ(ジャビリさん)