犀川でテンカラ

 

この季節、長野県の犀川殖産漁協でテンカラができるので、伊那市のアングラーズパラダイズ、略してアンパラの山本さんの案内で、フライマンの武田さんと一緒に遊んで来た。

新しい竿のテストとともにテンカラの可能性をさぐるのが目的である。犀川は初めてで、広い川とは聞いていた。広いところで50〜60mある。くわえて見るからに押しが強いのがわかる。テンカラでは川岸をかじるだけになるだろう。

竿は4.4mのテストロッド。仕掛けは5.5号のレベルライン7mに4.5号を1m、ハリス1.2号を2m、計10mにする。ハリは8番にタングステンヘッドを4つ数珠状につけ、黒い毛糸で軽く巻きつけ、テールを2cmばかり出したものである。

普通毛バリなら10mラインも簡単に飛ぶが、これだけ重い毛バリはタイミングの取り方が難しい。

下流60度くらいに落とし、沈むのを待って45度くらいから軽くアオリながら、浅場まで引く釣り方にする。川が広くて、とても流芯まで届かない。前に出れば足をすくわれる。

ガツッとアタリ。ラインが長いので取り込みまで時間がかかる。流れが強いところなので魚は寄らない。自分がジリジリと下がりながら魚との距離を詰める。ニジマスの40cmオーバーだ。

押しが強いので、足がすくわれそうである。アブナイ。これ以上、下がればこの世に戻って来れない。

1分余りぐらいのやりとりがあって、これは「とったぞ!」 ところがすくったタモが小さくて入らない。タモの枠に魚体が乗った反動で魚がハネ、瞬間にプツッとハリス切れである。またやってしまった。

フロロより伸びがあるナイロンにして、しかも1.2号なら大丈夫と思ったのだが。もっとも10年以上前のハリスだったので劣化していたのだろう。このあたりがテキトーなので、最後のツメをしくじるのだと思う。

今回、山本さんに犀川を案内していただいた。やさしく、親切な人である。気持ちよく一日が過ごせたのは山本さんのおかげである。

今回のことから以下を考慮すれば、超本流でのテンカラも可能姉妹と思う。妹がいいと言うオジサンは多い。私もそうだけど。

・竿は4.5m程度の腰のしっかりした竿。

・ラインはレベルラインより、フライラインの1番ぐらいのもの。

・長さは毛バリまで最低でも10mは必要。できれば12mはほしい。

・ハリスは1.2〜1.5号(の新品)。

・毛バリは8番ぐらいの沈む毛バリ。普通毛バリで釣れる可能性は少ない。

・大きなタモ。渓流タモでは入らない。

・ウエーディングスタッフ(ストック)は必需品。

・この仕掛けでできる場所を探す。フライマンが専用システムでやる場所では太刀打ちできない。

 

50cmオーバーのピンシャンのニジマスもいるそうである。テンカラは激流の中で掛けると取り込みが難しいので、スリリングである。

永い間、テンカラをすると「二度と行くもんか川」も増えるが、同時に「また行ってみたい川」も増える。犀川もその一つである。