小菅川テンカラ講習会 |
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11日-12日はNPO法人バーブレスフック普及協会主催の山梨県小菅(こすげ)川での講習会。 「毛バリ釣りの真髄!テンカラ大王が小菅にやってくる」というキャッチフレーズなので、ノストラダマスの1999の7の月に空からやってくる「恐怖の大王」のような怖い人ではないかと思った人もいたようだ。 最初は遠巻きでおそるおそるだった参加者も、怖い人ではないことがわかってくれたようで、次第に密着状態に。 11日は終始、小雨混じりにもかかわらず、テンカラに熱い(暑い)私はただ一人、腕まくりで講習。全然、寒くないのだ。今回、参加した2名の女性には湯気が出るような熱い指導をしたことは言うまでもない。 小菅川は東京の水源の1つである多摩川の源流であるが、山梨県。ここからは甲斐の国と言われてもピンと来ない。小菅の名産は甲斐サーモンである。甲斐と言えば甲府をイメージするので、そうか、ここは甲斐の国なのだと頭を一ひねりしなければならない。 愛知県でも地元の矢作(やはぎ)川を遡り、長野県に入ると根羽川と名前が変わるが、言葉も食べ物も三河文化圏なのでここが信州と言われてもピンと来ないのと似ている。 小菅川には15年ほど前にC&Rができたとき、当時、健在で今は高いところにいる堀江渓愚さんの招きで来たことがある。その後、1、2回来たらしいが記憶が飛んでいる。 講習会はまず小菅フッシングビレッジ内で簡単な話。毛バリとかラインとか竿とか。その後、小雨の中でキャスティングとか、反応しないときの毛バリの選択とかの講習。 ここにはニジマスとヤマメが放流されていて姿は見えるし、ライズをするので、講習にはうってつけで、参加者も納得の講習ができる。 やはり興味はどんな毛バリを使えばいいかである。毛バリはなんでもいい、サイズがあっていればいいのです、と口で言っても説得力がない。流れ込みでライズを繰り返しているのがいるのでそれを証明しよう。 「打ってみます。毛バリは12番です」 「ほらね。毛バリを無視するでしょ。」 「なぜ食わないでしょうか? はい 山本君、答えてください」 「先生、魚が食っている餌と毛バリのサイズがあっていないからと思います」 「卓球!」 「先生、卓球って?」 「ピンポン」 「では16番にサイズを落としてみます」 「ポン、バシャ!」「ほらね、釣れたでしょ。サイズがあっていれば形も色も関係しません」 釣れてよかった(ホッ) 以降、個人ごとに熱い指導を。全員がそこそこ釣って、なかには釣りすぎと言われるほど釣った人もいて、全員5時の終了まで楽しんだのだった。 今回、あの世の入口まで行って、門前払いをくって無事生還したからふる夫妻も日帰りで参加した。生きて帰って本当によかった。生きていればテンカラができるし、いいこともあるから。タバコを止られてよかった。死んでもタバコを吸ってはいけない。 その夜は広瀬屋旅館で泊まりである。オーナーの趣味は写真で、腕はプロ級なのでこのページの写真はすべて広瀬さんの撮ったもの。 座学ではテンカラの系譜やテンカラとフライの違いなどをパワポで話す。A4横書き明朝体10.5pで、5枚以上のレポートを課題にした(ウソ)。 そして、おきまりのいい加減毛バリ巻きである。参加者のなかにはフライフィッシングをする人もいる。毛バリこそフライの真髄と思っていただろうから、テンカラの真髄は毛バリでないと言われて戸惑ったかしれない。 こんな毛バリでいいのか?→これでいいのだと確信するまでに時間がかかるかもしれない。確信すれば釣れる、迷いがある間は釣れない。 翌日は晴れ。場所はC&R区間である。この日は毛バリまで7.5mの仕掛けでキャスティングを披露する。フライよりも遠くまで、一投で届くことに驚いたかもしれない。仕掛けを換えれば毛バリまで10mでも可能である。 ここのC&R区間は難しい。頻繁なそして大勢の釣り人が入れ替わり、たち替わり毛バリを見せ、ルアーを投げる。リリースされまくった魚たちはすっかり学習している。 話にきけば、この日は22番サイズの毛バリでも「本物を出さんかい!」と見切っていたようだ。C&R区間も下流の河原の駐車場前ではなく、上流の渓流域ならテンカラの楽しさを味わえるだろう。 それでもほぼ全員が魚を釣って、ゴミ拾いののち、「本日は釣れなくて閉口式」の後、解散である。主催者の吉田さんはじめ役員の方々、お世話になりました。役員との夜の「さすが教育者」の話は面白かったです。
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