石徹白レンチャン講習会

 

5/9(土)10(日)は石徹白C&R区間での講習会。今年初めての石徹白である。話には聞いていたが、この冬の豪雪の名残りが、C&R区間の上流では雪渓状態となっていて、こんなに遅くまで雪が残るのは初めての経験である。そこからの雪どけが水温を下げ、両日とも朝10時、8.5度で活性は低かった。

土曜は川遊びMAP主催で5名の申し込みに、冷たい川に飛び込みの4名。9名では私だけではまかないきれないところに西尾さん、久保さんが今回もサポしてくれた。ありがたい。川遊びMAPに詳細があります。

テンカラの技術もさることながら、石徹白のC&R区間で釣りをするルールを講習の前にお話しする。ここは1999年から在来渓魚を殖やす活動が始まり、以来、関係者や釣り人の16年におよぶ地道な活動の結果、10年近く前からC&R区間に漁協は一切の放流をしなくとも、魚が自然循環するようになった。

現在はイワナとアマゴで8:2ぐらいであるが、すべて自然循環によるもので、当然ピカピカの天然魚である。私も全国の多くのC&R区間をまわっているが、自然循環に成功した数少ない区間ではないかと思う。

わずか3.2kmの短い区間であるがおびただしい数の魚がいる。数釣りしようと思えばすごい数が釣れるが、活動の目的は在来渓魚を殖やすためなので、今年から釣ってもいい数を10匹までとした。

リリースしたとは言え、2〜5%は死ぬことが内外の研究でわかっているので、数釣れば釣るほど死ぬ魚も増えるからだ。もちろん区間外では釣数制限はありません。

そのためにバーブレスフック、シングルフック(ルアーの場合)、魚を岸にズリあげない、橋や道路からは釣らないなどのルールがある。さらに柔らかなリリースネットを使ってほしい、ハリスをもって魚を釣り下げない、手を濡らしてから魚をつかむなどは守ってもらいたいことである。

そんな話の後に、キャスティング練習、実釣・・・の中に定番のギャグと、新作ネタをおりまぜて、わかりやすく講習する。楽しいことは記憶に残るので、冬に逆戻りするような私のギャグでも初めて聞く人には新鮮だから(タブン)。

「人を見て法を説け」今日がまったく初めての人から、フライからテンカラへという人までレベルに差があるので、その人のレベルによって説明を変えなければならない。わかりやすく、スッと腑に落ちるように。

できないこと、悪い点を指摘するのではなく、いい点をみつけ、褒めて伸ばす。悪い点を指摘するのはキャリアの人なら誰でもできる。これはティーチングである。では、こうすればいいよと示すのがコーチングである。ティーチングはできてもコーチングは難しい。

一通りの説明の後、実釣である。交互に釣り上がるうちに(ここは釣り下りは禁止)皆さんポロポロと釣れ出した。1℃水温が上がったようだ。

釣り自体がまったく初めてで、今日がテンカラデビューという「いきなりテンカラ」の紅一点のSさん。誰にでもあるいつの間にか「掛っていた1匹」の後、出た→ピシッと合せを利かせて「掛けた1匹」で釣った直後、ウィルスが彼女の脳にジュルジュルと注入される音が聞こえた。今ごろ、あぁ早くテンカラに行きたいと、セッセと毛バリを巻いているに違いない。

3時に解散。皆さん、本当に楽しかったようだ。久保さんは早々にリミット10匹を釣ってしまい、することがないので今晩のバーベQの準備。おかげで夜は焼き肉をゲフッとなるまで食べた後、西尾さんのチャンチャン焼きを胃の隙間に押し込んで、石徹白の夜は更けていったのだった。

空には明日の晴天を告げる満天の星。気温は一桁だが明日は良さそうだ。

開けての日曜は毛バリ巻き公開講座の参加者のための講習会。参加して後悔講座にならないようにしなくては。

飛び込みも入れて全部で10名。今日は朝から晴れなのでこれは期待できそうだ。ところが風が強い。昨日より空気が一段と乾燥し喉と唇が渇く。暑くて喉が乾くのでなく、乾燥して乾く日はテンカラはよくない。

昨日と同じ話、キャスティング、講習である。今回、参加したIさんはテンカラの初心者。「オールラウンドフィッシング」のテンカラのすすめを見て、テンカラをしたくなったようだ。初めてのテンカラで数匹釣った。「週刊つりニュース」と縁があるので今回のテンカラ初体験が週刊つりニュースに載るのではないだろうか。

秋神川がホームの胡桃島三太郎さんは、リミット近い9匹を釣って楽しかったようだ。テンカラの経験もあるので、この講習会でさらに腕があがったと思う。

例年ならこの時期は活性が高いが、今年は遅れているので6月6日、7日の「フィッシャーズホリデー」の頃が佳境かもしれない。

釣数10匹は初心者ならほどほどかもしれないが、ベテランならあっという間かも。朝3匹、昼に2匹、夕マズメに5匹とかの配分が必要になるかも。

なお、今日は5匹だったのでストックして次回は15匹までとか、入漁料を2枚買って20匹までということはありません(笑)

6月6日、7日に第15回石徹白フィッシャーズホリデーがあります。両日、講習会もあります。ぜひ多数ご参加ください。今回の連チャン講習会に参加した人は絶対来るでしょうね。貢物をもって(笑)。アルコールは一切ダメ。甘いもの大好き。糖尿病ではないのでいくらでも食べます。

写真は田中さん、久保さん