北海道のポテンシャル その3 テンカラパラダイス

 

今日は中山さんはアメマスである。屈斜路湖はワカサギの産卵シーズンで、インレットに遡上するワカサギを狙ってアメマスがテンカラの射程距離に来るらしい。

中山さんのアメマス釣りはこちら。熊スプレーの試射も。

私は雑誌「フィッシング・カフェ」の取材がらみで、タイラバの開拓者の佐々木さんにテンカラを教える企画である。タイラバと言ってもタイの愛人ではなく鯛ラバである。わかってるって。失礼しました。

鬼太郎の親父のような目玉にひらひらのラバーをつけただけだが、これが抜群の効果があるというから釣りはわからない。

場所は弟子屈の町から30分の西別川である。摩周湖からの伏流水が川となっているらしい。日本一透明度の高い摩周湖の伏流水なので抜群の透明度。

しかもバイカモの中に隠れている魚が飛びだして来るのだそうで、フライマンのメッカとなっているとは編集長の遠藤さんの話。どんな川だろうかと私の胸がふくらむ。男なのに。

佐々木さんと落合い、西別川へ。西別川でもメッカと言われる場所にはすでにフライマンの車がびっしり。今日は平日だろう、仕事しなくていいのかと自分を棚にあげてチクリ。

下流の適当なところから入る。水は限りなく澄んでいるが、ヒッ!冷たい。ヒッ! おそらく10℃あるかなしかだろう。例により両岸の河畔林一杯に水が流れているが、浅いので遡行はシンドクない。

さっそく佐々木さんのキャスティング練習。浅くて水が澄んでいるし、さらに虫が飛んでいるので毛バリはドライにする。

グリップはこう持って、ピックアップは12時で止め、前は10時で止まるようにと数回練習するうちに、釣れました! 今、歩いてきたところでヤマメが。

以後、狂乱のモンテカルロ、狂喜乱舞、欣喜雀躍、歓天喜地の四文字熟語の西別川になったのだった。

ともかく釣れる。たった今、立っていたその5秒後にその場所で釣れるのだ。なんということだ。ヤマメ、ニジマス、イワナ、オショロコマの4種類である。魚は大きくて8寸どまりであるが、ともかく数が釣れる。

左岸にあたった流れが丸いワンドを作り、ゆっくりしたICパターンを作っているところで、佐々木さんは一歩も動かず10匹は釣ったのではないだろうか。

「いいとこに落ちました、そうそうその流れに乗ればまもなく出ます。ホラ、出た」 

佐々木さん曰く、仰せのまま。佐々木さん、私のなすがママ、きゅうりがパパである。

そんなこんなでテンカラ初日であるにもかかわらず50匹は超えたのではないだろうか。

「テンカラはこんなものではないですよ、ここは特別なんです」と念を押したのだが、佐々木さんの地元、関西でテンカラを振ったら、余りの釣れなさに、こんなはずではないと落ち込むのではないかと今から心配である。

落ち込むと言えば、途中に滝壺があった。カメラマンのアダチさんが開発した水中スコープで滝壺の中を覗いた。いるは、いるは無数の魚たちが。白泡の下にはこんなにいるのかと驚くばかりである。

ここに限らず本州の滝壺の白泡の下とか、堰堤の白泡の下なら間違いなくいるに違いない。白泡の下に毛バリが入れば釣れるのだが。

白泡の横の沈む波に入れてやれば、グイと沈んでいくのではないかと思うのだが、上手く行ったためしがない。

そんなこんなで今日も6時まで釣りをしてしまった。水の冷たい中に長い間浸かっていたので、例によってふくらはぎの火照り返しがいつも以上にひどく、翌日は足のダル重がひどく、女満別空港でぐったりとして動かず、ダル重のまま飛行機に乗ったのだった。

この経験から、アンダータイツを履いて、ロング靴下を履いて、その上からレッグウォーマーを履いて、ともかく足を冷やさないようにしたら、足のダル重はだいぶ軽減した。もしダル重で困っている人は試してみてください。

滝壺の下(動画)