テンカラ手道具(2)

 

テンカラ手道具の御三家は毛バリボックス、仕掛け巻き、タモではないかと思う。

テンカラマンの中でタモ造りを得意とする人は多いが、いつもアッシーしてくれるニッシー西尾さんもその一人である。

今回、西尾さんが大きなニジマス用のタモを造ってくれた。特徴は円でなく、大物を取り込み易いように楕円であることだ。円より楕円にするのは難しいそうである。

素材は杜松(ネズ)とのこと。枠の太さからみてこれだけの太さのネズは今や貴重なようだ。柄もコブを活かして抜けにくくしてある。10回以上塗装してあるそうだ。根気のいる手仕事である。

柄にはお約束の鹿の角が。鹿は水に強いことから水難よけの意味があるが、海外でその角はなんのためにあるのかと聞かれることがある。

これは水難よけのおまじない、とあたり前に言うことにくわえ、女難よけにも効果があると言うと男どもは喜ぶ。どこの男もこういう話は好きだ。

まだ魚の匂いをかがせていない。今シーズン、塗り付けてやらなければ。

 

 

2014年のコロラド州ボルダーの講習会の際、竹の竿ケースをもらった。竹の竿ケース、仕掛け巻きなどを出しているブースがありそこのオーナーからプレゼントされたものだ。

日本にはない竹の竿ケースを造って売るという発想は、やってないならやってみようというアメリカならではである。

どこからみても中国である。おそらく中国で造らせたものだろう。レーザーで彫っている。ときどき「テソカラ」の間違いがあるが、立派にテンカラである。赤い房をつけるのも 彫られた人物も中国である。海外の人には日本と中国の区別がつかないのは仕方ない。

でも、くやしい。こういうのは日本じゃないんだよ。