フィッシングショー横浜(1)

 

毎年のことながら、フィッシングショー横浜の会場は暑い。2018年フィッシングの幕開けで来場者が熱くなっているのではなく、単に温度センサーが狂っている私に理由がある。

半袖1枚でも汗が噴き出す。少し歩けば汗がハリーポッター。暑いからとタオルハンカチを持参したが、1時間でグシャグシャ、汗クサーである。ダウン着たり、フードをかぶっている人なんか信じられない。おかしいよ、それ。南極越冬隊か。

20日、21日の2日間いたが、来場者はほぼ昨年並みのように思えた。シマノにはすでに発売されている「Packテンカラ」の他に、 3月発売予定の、きっと釣れる「テンカラBBキット」「Meystone」が展示されている。

テンカラBBキットは私が2シーズンかけてアドバイスしたもので、入門者向けにライン、ハリス、毛バリがセットされていて、リリアンに結べばすぐにテンカラができるものである。

竿は3.3mで6:4調子。このキットのために改良したフジノのストレートラインに、毛バリ4本と仕掛け巻きである。簡単にキャスティングができる竿とラインの組み合わせにした。入門者がテンカラをすぐに楽しめること間違いなしである。

 

 

シマノから、突然、ビデオに撮りたいのでBBキットの解説をしてくれませんか。2時間かかるので、それでもいいですか(冗談)と聞いたら3分でということなので、かいつまんで話した。

半袖の私服ではどこの誰だ?ということになるのでシマノのシャツを着てくださいということでシマノの人になる。これがなんと長袖なのだ。さらに暑い。撮影中、汗が額から首筋までハリー・ ポタポタである。

ときどき、こんなにPRするのだから竿が1本売れるといくら入るのですかと聞かれる。何回聞かれたことか。聞かないまでも思っている人は多い。

1円ももらっていない。あくまで、テンカラの普及のためである。渓流釣り人口の半分をテンカラにしたい私の夢の実現であり、テンカラをやってよかったという人を一人でも増やしたいからである。

BBとは何?と聞かれたので、Best for Beginner 初心者に最適とその場しのぎで答えたが、BBってそういう意味なのだろうか。

シマノからはこの他、「Meystone」が出た。これはフライマンでテンカラをやってみたいという人が結構多く、フライ感覚で楽しめるテンカラ竿である。もちろんテンカラマンにもお薦めである。

長さは3.3mと3.6m。グリップに木が入っていてフライロッドのグリップのテイストである。

調子はこれまでのシマノのシリーズより、更に胴に乗る調子だがスパイラルXを採用しているのでヘナヘナしていない。この調子が好きな人も多いだろう。

ノムリエのブログ

BBキットの開発の経緯

これまでたくさんの講習会を開いてきた。今日が初めてという人から、少しやってますという人のタックルは千差万別である。そのほとんどがミスマッチである。竿とラインのマッチングが悪い。

釣具店でテンカラやりたいと言えば、最初だからと安価な竿を薦められる。そのほとんどはカチカチである。ラインの主流はレベルラインなので、 店員もレベルラインを紹介するが、薦めるラインは色が薄く視認性の悪いラインや、太すぎてカールのとれないラインなどまちまちである。

カチカチの竿とこれらのレベルラインの組み合わせではキャスティングはままならない。しかも、レベルラインの撚り(カール)をとることを知らないので、カールしたままの、蚊取り線香を伸ばしたようなラインのままキャスティングする人もいる。

講習会のときは最適なレベルラインの長さや、カールをどこまでとればいいか説明できるが、教えられることがなければ、ミスマッチでテンカラを続けることになる。

毛バリはどうすればいいのか。ハリスは? 入門者には?が山積みである。

入門者にとって、竿とラインがマッチして、簡単にキャスティングでき、テンカラがすぐに楽しめるものはできないかとかねがね思っていた。これが完成した。

竿もさることながら入門者にとってはラインである。なぜならレベルラインなら、どの太さの号数をどのくらいの長さにして、どの程度カールをとればいいのかわからないからだ。

そこでラインに私が監修したフジノのストレートラインを採用した。このBBキットのためにストレートラインをキャスティングしやすい長さ、重量に改良した。まったくカールのないラインである。これなら迷うことはない。

さらに、このラインを振るのに最適なのは6:4調子なので、この調子になる竿のテストを繰り返した。この竿の調子に慣れると、スキルアップしたときラインをレベルラインに換えても違和感なくキャスティングができるからである。

テンカラってこんなに簡単なのか。入門の敷居を低くしたい。

このキットを持って管理釣り場で運動靴を履いてテンカラを楽しむ。そんな情景を夢見ている。