雨には勝てない男鹿川 | |||
在住する豊田から栃木県は遠い。釣りに行こうと思ってもおいそれと行けるところではない。 栃木県日光市、福島県との県境近くに三依(みより)地区がある。東北新幹線の那須塩原駅から50分である。 三依の地域活性協力隊として埼玉から単身赴任しているノムリエさんの案内で、男鹿(おじか)川で竿を出した。 目的は竿を出すこともあるが、テンカラで地域の役に立つことがあればという思いもある。 ノムリエさんの話では、三依地区は西会津街道沿いに3つの集落があり、人口は400人を切り高齢化率が65%という限界集落の限界をすでに超えているらしい。 地区を流れる男鹿川とその支流はいずれも段差のない流れで、水は清冽である。 しかし砂が多く、砂が石を埋めて魚の付き場が少ないようにみえる。その理由を漁協の懇親会で知ることになる。 三依支部の漁協メンバーは10数名とのことで、この日はちょうど放流日にあたり、放流場所に竿を立てて待っている餌師の前にイワナを放流していた。 店を閉め、貴重な休みを放流にあてて餌師にサービスする風景がここにもある。しかも無報酬のボランティアとのこと。組合員の口から釣られるなよ、という声がもれる。 三依に三依渓流釣り場がある。釣り場は800mくらいはあるだろうか。広大でゆったりとしている。 広い芝生で遊ぶ子供と、釣り場で竿を出す釣り人の姿は、関東の人の多い管理釣り場とは趣が異なり静かに時間が流れていた。 三依はソバが名物とのことで、さっそくわさびおろしソバを食べる。鼻に抜けるすりおろしたわさびの香りと、甘めのつゆのハーモニーが絶妙である。ソバは手打ちである。 手打ちにしてくれよう、というソバを出す店があるが、ここのは本物である。昔、少しソバをかじったのでわかる(気がする) 三依渓流釣り場で女性が尺ヤマメを釣った記事(スポニチ 6/28)
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この数日の長雨で水が高く水温が下がったようで期待の夕マズメをまたずに温泉につかりバーベQに参加である。 バーベQは漁協メンバーと三依に通う釣り人も参加して10余名である。猪、鹿肉などが次から次に出る。 皆さん、テンカラに興味はあるけれど、飛ばすテンカラはやったことがないようだ。飛ばすテンカラ? つまり提灯テンカラがメインのようである。 楽しい飲み会である。質問雨アラレ。私の方もノンアルビールで気分が大きくなった。酔ったのかもしれない。 手元に50本以上あったバリバスの2430(西三郎)のバーコードステルス毛バリを全部あげちゃうという酩酊状態になる。 平成27年9月に鬼怒川が決壊する大水害が起きた。今も記憶に残っている。このとき源流部の三依地区の沢という沢が抜けたようだ。 10mも土砂が堆積したところもあり、その砂が男鹿川やその支流に流れ込み、完全に廃砂しないまま現在に至るようだ。砂の多い理由はこれだったのだ。 まだ復興途中とのことで、なにか復興に協力できることがあれば。ぜひテンカラの講習会を開催してほしいとのこと。 10/5(土)漁協主催、三依渓流つり場でテンカラ講習会をすることなった。もちろん飛ばすテンカラである。 詳細は今後決まる。栃木県でテンカラ講習会を開くのは初めてである。 その夜はノムリエさんの単身赴任住宅に。ノムリエとタツおうの奏でる交響曲でも熟睡したのは、よほど疲れていたのか、あるいは耳が遠くなったのだろうか。 翌朝は出るのをためらう雨である。いくら好きでもこの雨の中を釣る気はない。 雨上がる。道々見える川の水が高い。この日予定していた栗山地区も期待を裏切るメコン川状態である。 かろうじて竿を出した支流も積もった落ち葉が流れ出し、日頃は澄んだ水がお茶を薄めたような色である。 落ち葉に含まれるタンニンの色である。高校の頃、水がこのような色になるときは釣れないと担任の先生から聞いたことがあるので、先生の教えをまもり、早々に退散である。 天候だけはどうすることもできない。またの機会にと新幹線の人になる。次は10月である。
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