秋の芝川テンカラ交流会

 

48名の参加者

10/31(土)は毎年恒例の秋の芝川テンカラ交流会。雲ひとつない快晴の下、かってなかった48名と犬1匹の参加者だった。しかも女性が6名。これも最多である。

遠くは群馬、埼玉、東京、千葉、神奈川、長野、山梨、愛知、そして地元、静岡からである。

9時に漁協の長谷川組合長による芝川の状況説明の後、放流組と講習会参加者に分かれる。

放流は今回も参加者による直前放流である。直前放流の理由はカワウ対策。事前放流するとカワウの餌食になり魚がカワウそうだから。

くわえて高齢化した漁協組合員だけで放流するのは大変で、参加者が放流することで助けになればという思いからである。

この日の放流は20〜30cmのニジマスが中心。50〜60cmのデカマスは2週間ほど前に放流されている。

 

 

講習

女性6名と男性1名が参加した。いつもは講習のヘルプをしてくれる人は少ないが、女性多数となるとやりましょうという人が多数で、ほぼウーマン・ツウ・マンの講習になった。

竿のトラブル、仕掛け、毛バリの説明の後、定番のキャスティング練習、その後は実釣へ。

目の前に放流して貰ったが、水になじむまでに時間がかかるので、その間はこれも定番の3秒、3回流す「散々の法則」の説明など。

なじんだ頃から次第にアタリが出だすが、底でくわえるのでアタリがとれない。ラインの違和感や糸ふけでアタリがとれるようになるのは初心者には難しい。

 

 

アタリと合わせ

午後3時頃にハッチが始まった。近くの女性たちに「ハッチだよ」と言ったら、どこにミツバチが? そうじゃなく羽化が始まったの。ウカウカしてられませんよ。

そこは底石で流れが2つに分かれた、膝下くらいの深さの流れが5mほど続くところである。石裏は養魚場の流れと同じなので、放流直後の魚にはつきやすいのだろう。

流下する餌を追ってパシャ、パシャとライズする。ライズとヒラを打つ数からすればここには20匹以上いる。

これはアタリと合わせを体験する絶好のチャンスである。軽く浮きやすい毛バリに交換してもらう。

キャリアを積めばパシャと出たそのパシャが、食ったか(くわえた)食ってないかがわかるが、初めてだとそれがわからない、今のは食ってない!

食ってないアタリにも合わせをするので当然かからない。早い!遅い!合わせのタイミングをつかむのも経験である。

また、ハイルヒットラーのように肘を上げて合わせるので、フッキングが弱くフックアウトしてしまう。バシッ、ピシッと合わせないとフッキングしないことがわかるまでにも経験が必要である。

やがて自然に流しただけでは魚も騙されなくなる。そこで水面をススッー、ツツッーと引くトリッキーな動きをすると反応する。 「ススッー」「ツツッー」っと声を出して引くとうまく引けます。そんなことはありません。

このススッー、ツツッーがどのようなスピードなのか、動かす方向などで、反応に違いがあるので、これがわかるのにも経験が必要である。

このようなことを教えながら女性一人、一人に釣ってもらい、ある程度釣ったら次の女性に交代してもらった。ライズを見て、それを掛ける経験は楽しかったと思う。

女性の中で43cmを釣った人が2名。そのうちの地元、富士市の人の取り込みを見ていたが、慌てることなく、竿と魚のあしらいも見事である。

テンカラはほぼ初めてのようだが、車が車中泊できる釣り専用車なので釣りに相当な経験がある人なのだろう。

もう一人、山梨から参加した人はシマノ「テンカラBBキット」でキャッチしている。キャスティング重視の軟調の竿なのだが、よく引きに耐えたものと思う。女性も竿も。

 

 

大会

毎回、自己申告、大物1匹の長寸のゆるぅーいルールである。今回は54cmで岡崎の荒川さん(段戸川倶楽部)が優勝。上位4名までが50cmオーバーだった。

漁協の昼食

今回も漁協がお昼を出してくれた。タコ飯、キノコ汁、里芋などである。食べきれないほどの量だった。ごちそうさまでした。

 

 

富士山

富士山はまだ冠雪していなかった。赤富士から紫富士へ刻々と色を変える。郷里の清水を離れて50年以上、当時は見慣れた富士山でも一年ぶりに見る富士山はやはり日本一である。

 

 

ルアーの行方

翌日はフライの高橋裕昌さんが代表理事をしている(一財)「北橋輝子記念財団」の総会に参加した。

そこでダイビングサークルの管理人をしているDさんから、ルアーの行方の実態を聞いた。ダイビングを趣味にとどめずルアーや釣具の回収をしているとのことである。

海、川、湖、池にはおびただしいルアーが引っ掛かっていて、Dさんには回収したルアーをリセールできるくらいの種類と数があるとのこと。

Dさんのルアーの行き先はすべてロストであるという話に、釣りの環境への負荷に気づかされた。

比較の問題だが、テンカラの負荷は少なく、負荷の少ない釣りでよかったと、ルアーの行方から思ったのだった。小さな負荷でも積もれば大きくなり、やがて釣りができない環境になることもあるだろう。

タツおうのテンカラ万歳