魚にも都合がある
|
|||
例年、藤の花の咲く頃から講習会が続く。今年も段戸川、根羽川、掛川の原野谷川、岐阜県荘川と5日のうち4日が講習会だった。釣れるときもあればダメなときもある。 段戸川C&R区間での女性1名の講習はよかった。暑いほどの日で水温が上がり、アマゴがこの春、一番最初に活性した日だったからだ。 https://www.youtube.com/watch?v=zhld7viLEmQ その翌日から気温が下がり、根羽川での女性2名、男性1名の講習の日は朝は10℃で肌寒く、当然のように午前中はまったく反応なしだった。 水温が上がった3時ごろからポツポツと出て、女性たちは数匹キャッチすることができた。 原野谷川の講習では事前に受講者の手でアマゴを放流した。放流されたアマゴはすぐ毛バリに出ることはなく、水になじみ、活性があがったのは午後5時を過ぎてからである。この頃からバカバカである。 「バカバカ」をロシア語に翻訳できるだろうか。馬鹿、馬鹿かな。もちろん冗談。
|
|||
荘川の講習会の日は、標高も高いこともあって冷え込んだ寒い朝で、さらに冷たい強い風も吹いて厳しい日になった。 芽吹きもまだで桜も満開である。しかし、寒いながらも水温は10℃あり、もともと冷たい水に馴染んでいるイワナがパラパラと出て、受講者の竿を絞った。 ずっと講習会続きで自分の釣りができなかったので一泊して翌日も荘川でやった。前日、大勢が散々攻めた場所で果たして出るか試したかったからだ。 朝は3℃まで冷え込んだので、午後から3時間だけ。時速10匹のペースだった。暑がりジェイソンの私でも4枚着た寒い日で、しかも散々、攻められたのに、どうしたの? 何かあったの? 平日、先行者なし、一人だったからだろう。 最近、講習会では釣れないのは魚の都合ということにしている。なんで俺が来たのに出ないんだ! 挨拶がない、なんて怒っても仕方ない。魚にだって都合がある。 魚だって毛バリに出たくて出ているわけではない。魚には意志はない。条件が揃えば勝手に反応してしまうのだ。 コントロールできないのが2つある。一つは天候である。雨、風、気温はどうすることもできない。二つ目は魚である。魚の都合もコントロールできない。 魚の反応をコントロールしているのが、水温、明るさ、先行者、餌の流下などで、これらが複雑に関係して魚の活性が決まる。魚が活性するかは魚の都合であり、我々にはどうすることもできない。 つまりテンカラは自然と魚という制御できない2つの条件の中での遊びである。したがって条件を選べないサンデーアングラーにとって、いい日にあたることはマレである。 さらに偽物である毛バリでなんとか釣ろうというわけである。このような様々な制約のある釣りだからこそ、1匹釣っただけでも嬉しいのがテンカラなのだ。 キャスティングがそこそこ出来て、狙ったポイントを毛バリが流れても、それでも魚がでないのは魚の都合で、あなたの腕ではない。 ロシア語で、腕ではない・・・どう訳すのだろうか。
|
|||