消えゆくテンカラ用語

 

私たちの周りには中国製品があふれている。もはや中国製品なしでは暮らしは成り立たない。あるアメリカの女性が一切の中国製品なしで生活できないか挑戦したが、ダメだったというニュースがあった。

私が頻繁に覗くダイソーやシマムラの多くが中国製で、私のスマホもHUAWEIである。まさに中国製品が世界を席巻した感がある。

テンカラにも竿を筆頭として中国製が増えてきた。価格の安さでは日本製は対抗できない。

席巻という言葉で思い出したのがテンカラ用語である。日本の伝統的な毛バリ釣りであるテンカラの用語を席巻しているのはフライ、ルアーの言葉である。

フライやルアーが日本に入って100年以上たち、一般に普及して50年くらいだろうか。これらで使う言葉が入る前はテンカラではどんな用語を使っていたのだろうか。

1965年(昭和40年)初版の【渓流のつり】は日本で最初に一般向けにテンカラについて書かれた本であるが、この本では、今ではあたり前に使うキャスティングは「振り込み」であり、キャスティングは一度も使われていない。

1997年(平成9年)に拙著【テンカラ解体新書】を出した。買いたい新書と解体をかけたつもりだったが、オヤジ ギャグにあきれたのか買いたい人は少なかった。

さらに2000年に拙書【読んではいけない毛バリ釣りの真実】を出したが、本当に読んではいけない本と思った人が多かったようで、こちらも部数は伸びなかった(笑)

下はテンカラ解体新書の中の【消えゆくテンカラ用語】である。この本は25年前の本であり、この時点ですでにテンカラの言葉はすっかりフライやルアーの用語に置き換わっている。

それから25年たった現在、この時点に比べてさらにテンカラ用語の英語化は進んでいないように思う。

フライやルアーが入る前のテンカラの言葉はすべて日本語である。当時、どんな言葉を使っていたのだろうか。

一切、英語を使わないでテンカラを説明するとどんなになるのだろうか。挑戦してみたい。

再びの緊急事態宣言でテレワークが増えると思います。仕事しているフリして読んでください。