南部・盛岡流し毛バリ

 

 

雑誌【Fishing Café】2023 Vol.72,73号に「南部・盛岡流し毛バリ」の記事があった。記事によれば流し毛バリは今から100年前に考案されたものという。

盛岡でヒカリと呼ばれるヤマメの降海型を数本の毛バリを使って釣る方法である。

この記事を読んで、今から40年以上前、盛岡流し毛バリを買ったことを思い出した。

買ったはいいが使い方がわからないので、販売元の盛岡の釣り具店に電話した。おじいさんが親切に使い方を説明してくれるが、申し訳ないが訛りでほとんどわからなかった。

改めて押し入れから流し毛バリを引っ張りだしてみた。買ったきりスズメで一度も使っていない。

劣化していなかった。全長で4.5m。3cmくらいの桐ウキが一つ。ウキの下、おおむね40cmくらいに1本、上にも40cmの間隔で4本、計5本の毛バリである。

桐のウキと思っていたが、タラノキとのアドバイスがあった。考えがタラノキだった。

毛バリの色はウキ下が赤系統、上は黒、茶、白系統である。ハリはカエシのあるマスバリである。

ハックルをサラッと巻いている。ヘッドと胴にハックルを巻くダブルハックルで、テールもついている。

ハリスはナイロン1号。枝素(枝のハリス)も1号、ただし、幹糸(メインライン)との間を二重にして幹糸にからみにくいようにしている。

記事によれば斜め下流にキャストして毛バリが沈まないように水面を流し、ときどき誘いをかけて、水面で虫がもがくようにするのがコツのようだ。

この仕掛けは、昔いっとき夢中になったシラハエ(オイカワ)の流し毛バリと同じである。シラハエの流し毛バリもウキ下に1本、上に4本である。

ウキ下が赤系統の毛バリで上に黒、茶、白、黄緑系統の毛バリであるのも同じである。

魚の多くがウキ下の赤黒のハリに掛かるので、では全部、赤黒の毛バリにしてみたが釣果は変わらないか、むしろ落ちた。

そうか、上のハリは誘いバリの役割で、これらで誘い、本命の赤黒で食わせることがわかった。

盛岡流し毛バリをまだ一度も試してない。なんとはなしに1本の毛バリで釣るのがテンカラだ。5本バリでシラハエを釣るようなのはテンカラじゃないという思いがあったからだ。

しかし、やってないのにこの釣りのことは何も言えない。実はすごく釣れるのかもしれない。面白いところも、そうでないところもあるに違いない。

来シーズン、虫が飛ぶ頃に試してみることにする。ひょっとするとテンカラは5本毛バリだ、なんて言うかも。タブンない。