ロシア語の超明快レベルラインテンカラ

 

2011年初版の『超明快レベルラインテンカラ』(つり人社 1650円)が12年の間に5刷まで伸びている。

 

テンカラの教科書として読んでくれていると思うとありがたいことである。

 

拙書は2013年にロシア語に翻訳されている。

 

海賊版ではなく著作権を得ている。ウラジオストクのSergeyがロシアにテンカラを普及させるためにロシア人向けのテキストとしたものである。

 

すべての言葉を翻訳していると思うが、翻訳が正しいかどうかはロシア語なのでわからない。英語でもわからないが。

 

紙はつやありの上質紙、写真はオールカラーである。Sergeyの話では発売以来、増刷を重ねているようである。

 

 

 

 

ところで表紙に毛バリをパッと打って、ガッとを合わせれば釣れる、とある。

 

Sergeyからパッ、ガッはどういう意味かと質問があったが、英語のメールのやりとりなのでうまく回答できなかった。

 

そのためロシア版には毛バリをパッ・・・の部分がない。翻訳できないのかもしれない。

 

ガッ、パッなどの擬音語や擬態語(オノマトペ)がとびぬけて多いのが日本語の特徴のようである。4500ぐらいあるようである。英語は150くらいらしい。

 

状態や心の動きなどを音(おん)で表した言葉であるオノマトペを果たして翻訳できるのだろうか。

 

たとえば

「シーンという音が聞こえるかのようにあたりは静寂に包まれていた。ドキドキした鼓動が聞こえるようだった。グリップをギュッと握り、サッと竿を跳ね上げた。シュッと風を切る音のあと、ポトッと毛バリが落ち、水面にユルユルと波紋が広がった」

 

日本人ならオノマトペから情景がうかぶ。私たちはつくづく音と感覚の中で生きていると思う。