渇水と増水で変わる魚の活性

 

6月27日は岐阜県荘川の一色川で講習会だった。

犬山から2名、大阪から4名。うちルアーが2名である。

渇水を予想していたが川を見て驚いた。なんど平水線がくっきりわかるのだ。15cmは減水している。これは厳しい日になるぞ。

案の定、いつもなら9寸のイワナが期待できる鉄板のポイントでも出るのは小さいのばかり。せいぜい20cmあるやなしやのイワナとサヤエンゾウのヤマメである。

ここまで減水すると魚は警戒し、白泡の下に逃げ込む。白泡は魚のシェルターである。同時に水が攪拌されることで酸素も多いのだろう。

活性のあるときはそのエリアの最も大きい魚が一等地を占める。しかし大きな魚がそこを占拠しないので、鬼の居ぬまに小さい魚がそこに出てくる、いや出てこれるのだろう。

ルアーの2人も苦戦である。尺イワナもルアーをちょっと追っただけでサッとUターン。いつもなら足下まで追ってくるのに・・・

テンカラ3年目の茜さんと日本語の上手なカルロス君につききりでテンカラを教えた。

まったく活性のないなかでも、それぞれ20cmのイワナを釣ってこの日だけで大きくステップアップした。

 

 

一方、増水すると魚は活性する。少し前、岐阜県のある渓流に入ったときのこと。この日は15cm増水し、うっすら、ほんの少しだけ濁りがある。これはいい。いけそうな予感。

でも徒渉できるか?

案の定、出るわ、出るわ。こんなにいるかというほど出てくる。ついには尺イワナも。

同行したKさんはある淵で一歩も動かず6連続ヒット。それも8寸サイズばかりである。

どうしたのお前たち。何かあったの?

その2週間ほど前、同じ場所に入ったときも10cmほどの高水だった。この日も活性したがこのときほどではなかった。

渇水で不活性、増水で活性、平水でそこそこが私の目安である。

増水すれば餌がたくさん流れるのでこれを荒食いする。さらに水中酸素量もわずかに増えることにより活性するのだろう。

増水すればいいといっても限界がある。15cm高水では徒渉の限界だった。ウエーディングスタッフは必携である。

この日は同行のKさんに腕を引かれ、腰を支えられた介護テンカラの日でもあった。