寒狭川中部漁協の警察案件

 

いつでも魚の見える川に

愛知県寒狭川中部漁協(中寒狭 なかかんさ)の毛バリ専用区のすべての看板、のぼりが渓流に投げ捨てられ、壊された。新城警察所は人物を特定するとともにパトロールに乗りだした。

一体、どんな人物がこのようなことをするのだろうか。おそらくこの渓流で長い間餌釣りをして来た70代の高齢者(年寄り)ではないかと想像する。

「俺はここでずっと餌釣りしてきた。それを何だ、勝手に毛バリだけだと(怒) なんの相談もなしに。頭にきた!」

「お前ら、毛バリやルアーをやりたい連中が自分らだけの釣り場で遊ぶために勝手に作って、餌釣りを閉め出しやがって・・・」と言ったところが本音だろう。

中寒狭は当然、餌釣りにも配慮しており、昨年より餌釣りエリアは長くなっている。そこに行けば餌釣りができるし、10匹までなら持ち帰ることもできる。

このような輩になぜゾーニングするのか説明しても聞く耳を持たないし、理解もできないだろう。説明不足ではないし、そもそも話し合える相手ではない。

中寒狭は発眼卵放流をしつつ同時にルアー、毛バリ、餌釣りでゾーニングしている。

その目的は「いつでも魚の見える川」にするためである。そのため言うまでもなくルアー、毛バリエリアはリリースである。この目的のために40名のサポーターが活動している。

全川禁漁区にすれば魚が増えるが、そうはいかない。釣りを楽しみつつ魚を増やすためのゾーニングは現時点でベターな方法である。

20年先、30年先は予想もつかないが、10年先ならある程度想像できるし、手の打ちようがある。

10年先を見たとき、今までのように成魚放流して釣りたいだけ釣っていては魚は増えないだけでなく、これでは漁協の経営が成り立たなくなる。

中寒狭が無制限に持ち帰るのを止め、餌釣りの持ち帰りは10匹までにしたのはしごく真っ当である。

全国的にみて漁協組合員の年齢分布のピークは70歳代である。あと10年したら誰が漁協をやっていくのか。2035年には漁協組合員がゼロになる予測もある。

漁協がなくればそれぞれの県の漁業調整規則によるが、そうなれば間違いなく無法地帯である。野性魚は激減し、成魚放流もできなくなる。

警察沙汰を起こした輩が釣りができるのも、遠路から足を運んで入漁料を払っている人たちがいるからこそ、その資金で放流できている。そんなこともわからず自分だけ良ければというのは大人のすることではない。

そこまでして優勝したいか?

その中寒狭の3/12の大会で目を疑うようなことがあった。

聞いた話なので正確ではないが、餌釣りの審査に解凍した尺アマゴを持ち込んだとのこと。どうも彼はこれまでその方法で3連覇したようだ。

今回は組合長がみつけ無効としている。「もう来ない!」と捨てゼリフを吐いたようだ。来なくていい。来るな。

高齢者(年寄り)である。どうしてこんな詐欺まがいのことができるのか、まったくわからない。不正で得た優勝で平気でいられる心理。

そこまでして優勝したいのか。家族には当然言わないだろうが、家族が知ったらどう思うだろうか。

優勝! 自己顕示欲と承認欲求を刺激する。しかも新聞に自分の名前が出る。生涯にわたり自分の名前が新聞に出ることなどそうあるものではない。

しかも優勝となれば賞賛され、賞品もいいものが貰える。それだけに不正が起きる。

大会には市長も来ている。市長が挨拶し新聞社も取材するこの大会は公的な色彩が強い。私的な仲間内の大会とは違う。仲間うちならゆるい大会でいいが、おのずとmm単位で優劣を競う競技会になる。

前日放流したアマゴの長寸をmm単位で競うのは昭和の頃の大会から何も変わっていない。新聞紙に魚を並べた写真が新聞に掲載された時代と同じである。

私見であるが、大会を開いて釣り人を呼び、新聞やメディアの紹介を期待するのはそろそろ止めにしたい。

知恵を出せば大会を開かなくてもそれに見合う釣り人を集める方法はあると思う。昭和の大会をしない漁協になればと思う。