釣り具(市場規模)と登山・キャンプは2009年から逆転

 

釣り具の市場の60%がルアー関係だった。もう少し詳しく知りたいと思い、レジャー白書2022(公財・日本生産性本部) と(一社)日本釣り用品工業会のデータをまとめてみた。

「釣り具」「登山・キャンプ」「スキー・スノボ・スケート」で比較

 

 

1. 釣り具の市場は2010年に底をうち、2011年からわずかづつ拡大している。しかし2000年に2700億だった規模が現在は1700億である。

2. スキー・スケート・スノボは縮小をつづけ、現在では1000億を切り、縮小に歯止めがかかっていない。

3. 一方、登山・キャンプ市場は2009年ごろから拡大しはじめ、現在では3つの中ではトップの規模である。

4. 2009年に3つの市場規模がほぼ同じになり、そこから登山・キャンプ市場が規模を延ばしている。

5. これらの要因の1つが少子高齢化である。若者が少なくなり、スキー・スノボをする若い人が少なくなった一方、登山やトレッキングする中高年が増えたためである。

6. 登山・キャンプは2009年より増加している。いわゆる団塊の世代の多くがこの頃に60歳をこえ、趣味として登山やトレッキングを始めた人が増えたためと思われる。

7. 2009年、若い女性がファッショナブルな服装で登山する「山ガール」が出現した。中高年の登山やトレッキングが増えてきたところに「山ガール」の出現が追い風になった 。

8. それまで呼ばれていた山女(やまおんな)に比べ、山ガールにはさなぎが蝶になったような華やかさを感じる。 比較して「釣りガール」の一般への普及は今ひとつである。

 

釣り人口は減少を続けている

釣り人口(レジャー白書では1年に1回釣りをした人)は1998年の2020万人がピークで、以降、減少を続け、2021年には600万人を切っている。この20年あまりで釣り人口は1/3に減少している。

釣り人口は減少しているが釣り具の市場規模は徐々に拡大している。ということは単純化すれば一人あたりの釣り具購入額が増えていることを示している。

 

釣り具の中で擬似餌の割合が高い

 

釣り具では竿、リール、擬似餌で第3位まで占めている。擬似餌は15〜18%である。比較のため、釣り糸は5%程度。擬似餌と言っても様々であるが、その多くはルアーではないかと思う。

 

ルアーではソルトが断然

 

ルアーではソルトが断然多く、ここ数年増えている。ついでバス。年間300億円規模である。 ただ、2005年ブラックバスが特定外来生物に指定されてから下火になったが、それでも大きな市場である。

ルアーに詳しくないのでわからないが、竿やリールはバスに限らずいろいろな釣りに使用できるが、どうしてバスとなるのか不思議である。

ルアー(トラウトほか)は、おそらく管理釣り場や渓流のルアーと思われるが、おおむね50億円規模で、ソルトの1/10、バスの1/6の規模である。

 

フライフィッシングは20億円規模

 

フライフィッシングにテンカラが含まれるかわからないが、20億円規模である。渓流釣り(おそらく餌釣り)と同規模である。

アユは次第に縮小し40億円で、これはルアー(トラウトほか)と同じ規模である。テンカラは釣り人口が少ないこと、安価なタックルで1千万円規模もないかも。

 

まとめ

これらを知ったから、釣りが上手くなるわけではないが、自分のやっている釣りがどのような規模かを知ることは何かの役に立つかもしれないし、立たないかも。多分、立たないと思う。しかし、知らないよりいいかも、知らなくていいかも。どっちなんだ。