竿とラインのマッチングを考えよう

 

「ゆーこ」さんから教えてほしいと連絡があった。山梨の野呂川の釣りの後、開田高原で合流した。

北九州の人である。北九州から女性一人で軽自動車で車中泊しながらである。なんとスーバーな人なのか。

お会いすると山屋さんとのことでスッと絞れられた体型で、歩きもウサギのようである。さっそく竿と仕掛けを見せてもらった。

某社の3.2mの竿にフライライン+レベルライン。うーん最悪の組み合わせである。

某社のこの竿は軽いので女性が手にすることが多い。しかし軽いメリットよりデメリットが勝る。

・肉厚が薄いのでよく折れる。

・穂先が細いのでフッキングが効かない。ゆーこさんも「よくバレるのです」と。

・取り込みのとき魚が寄らない。

くわえてフライラインは重いのでラインの重さで竿負けしてラインがブレ、毛鉤が狙ったところに落ちない。

この日は水温12℃、活性のない厳しい時間帯の釣りである。魚は岩の下に隠れていて、瀬まで出てこない。

釣るにはピンスポットに毛鉤を落とさければならない。しかし、この竿とラインの組み合わせでは無理である。

そこで竿はシマノ天平3.3m、ラインはフジノライン・ソフティライン3.0mを使ってもらった。

キャスティングがどんどん上手くなるのがわかる。ラインのループが狭くなり、次第にピンスポットにキャストできるようになる。

ただ力が入っている。キャストした後、グリップを握りしめているので竿がブレる→ラインがブレるのだ。

そこでキャストの後は親指、人差し指をグリップから離せば、竿を握らないので竿がフレないことをアドバイスする。このアドバイスで更に精度が上がった。

「あそこの苔のある石の付け根に打ってみて」

落ちた途端にバシッと出た。ダメかもしれないと思っていたようなので嬉しい1匹である。その後、2匹釣って2時間半のレッスンで3匹。この条件の中でよく釣りました。

よろこんで北九州まで12時間余りの帰途についた。家についたのはシンデレラをすぎた夜中の1時半だったようだ。翌日は普通に仕事。なんとパワフル。

この日の2日前までの数日間はイワナ祭り。わくように出てきたようである。しかし、水が冷たい冷川である。

人にも冷たい。イワナ祭りが終ればウンもスンもない気持ちもむらな冷子になる。木村冷子である。

経験が浅いと竿とラインのマッチングはわからないと思う。あるものを使う、人が使っていたからいいかと思って使う。

マッチングが悪くても魚の活性(食い気)があればそれなりに釣れる。

しかし一旦、渋くなったらピンスポットに一投で毛鉤を落とせるかがキモになる。竿とラインの組み合わせが悪いければ限界がある。

一度、自分の竿とラインの関係を考えたらどうで荘川漁協。