赤富士の芝川テンカラ交流会

 

大きな被害の出た台風15号、続く19号に追い打ちをかけるように台風21号がもたらした大雨で関東、とくに千葉県には大きな被害が出てしまった。水がもたらした災害だけに日頃、水と遊ぶものにとって心痛むことである。

10/26(土)は恒例の秋の芝川テンカラ交流会である。前日、私は東京にいたがドシャ、ドシャと音をたてるドシャ降りの雨。雨雲レーダーをみれば東京、千葉は真っ赤である。その頃、名古屋も真っ赤な強い雨。

ところが静岡はほとんど降っていないようだ。長谷川組合長に連絡すると5cmほど水が高いだけで澄んでいるとのこと。明日はできると確信。

案の定、26日は朝から快晴。箱根を越えると嵐を呼ぶ男。越えなければ令和晴れ男である。

数日前に初冠雪した富士山が参加者を迎えてくれる。富士山が初冠雪したという発表の数日前に山梨県側で冠雪したそうであるが、静岡側から見える雪を初冠雪とするそうである。

富士山は静岡、山梨のどちらのものかというTV向きの話題がある。どちらでもなく日本のものなのだが、初冠雪からすると表が静岡、裏が山梨となる。「新幹線から見える富士山が表」に同意する人は多いだろう。

私の郷里、静岡市清水区(旧清水市)の三保の松原から見る富士山は海から眺めるだけに、長く裾野を広げる山容は見事で、やはり富士山は静岡のものと故郷びいきに思うのである。

交流会が終わり、はやい秋の日没とともに刻々と富士山が色を変えるのを眺めることできた。

地元の人にとって赤富士は珍しくないだろうが、山頂にわずかに冠雪した赤富士が刻とともに色を変えるそのときに出会えたことは幸運である。

 

 

この日は30名と犬2匹が参加である。9時の集合の後、C&R区間の3カ所で放流。今回は20~30cmまでのニジマスである。

日頃の漁協の放流がいかに大変かを知る機会である。皆で手分けすればすぐに終わる、と言っても私は「こけないように」の声かけだけである。

テンカラ交流会で日頃、芝川を使ってくれているとのことでお昼は漁協のふるまいである。鹿肉入りのウドン、鹿の焼き肉、サトイモ、そしてモズク蟹で腹一杯である。ごちそうさまでした。

モズク蟹は地元ではズガニと呼んでいる。爪にふさふさと毛がはえているカニである。なんでカニに毛があるのに、俺にはないのかと羨ましがられるカニである。

昔は地元の興津川にも一杯いて、ズガニ突きは夏の川遊びの定番であった。ドロの中に横に長い穴があれば大抵、スガニの穴である。

モリでザックリ突いて遊ぶ。川で火を焚いて焼いてミソをすすり、ガジガジ食べるのだが、突くだけで捨てることもある。今、思えば残酷なことをしたものだ。 いきものの命を考えることがないのが子供である。

講習会は4名の人が参加。藤原さんと私のマンツーマンなので、メキメキ上手くなる。藤原さんは顔は怖いが教え方は上手い。

大物1匹の長寸で優勝。すべて自己申告である。今回は地元、富士市の坂田さんの56cmである。

2位は岐阜県から参加の大将と、埼玉県からの元上州屋店長の大沢さんの52cmである。大将は過去2連覇しているが、今回おしくも2位。大物の取り込みが上手くなっていることがブログからわかる。

初参加の地元のGGのりさんは43cm。GGのりさんは中通しのテンカラ竿である。リールをつける人はいるが、リールなしで中通し。ウーンこういう方法があったか。さっそく、シマノから発売・・・することはない。

今回、直前放流したニジマスはなぜかほとんど釣れずに、10/5に放流した大型ニジマスだけである。大物はおそらく全体で30匹を越えて釣られているだろう。

私も掛ける。毛バリはビーズヘッドをつけたピンクの百均エッグで、目印としてウキをつける。ハリスは1.2号。

数投目でウキがキューン。ガツッ。そら来た。グ、グーン、ギューと引き込まれる。ここまではお約束。ところが竿は「渓流テンカラ」の3.8mである。

これでとれるか。タモはもっていない。これは粘るしかないな。竿の弾力と自分の立ち位置を考えること4分13秒。誰かぁ!掬いの神のタツおうさんにお願いして、なんとかキャッチ。52cmだった。

放流ものであれば「渓流テンカラ」なら50cmまではキャッチできる。天然ニジマスなら無理。ヒレピンの50オーバーのパワーは半端ないからだ。

御浜こうじの久保さんが60cmオーバーを掛けたようだ。さばきにさばいたものの、激流に入られ竿がパキッと音をたてて3つに折れたとのこと。

「先生、竿折られましたわ」

「え? 折れた。どこの竿ですか?」

「G社の竿ですわ」

「それはよかった。シマノでなくて(笑)」

「次はシマノの本流テンカラNPにしてください」

久保さんはG社の竿に愛着があるようなので、G社にするか本流テンカラにするか、久保さんの選択はいかにである。

来年、3/21(土)に春のテンカラ交流会を予定しているので多くの方、参加してください。

その夜は興津の実家に泊り、翌日は焼津のフライマン高橋さんの設立した「北橋輝子記念財団」のハウスのお披露目会に参加。その話はいつか。